私が楽器を演奏するようになってから、普段何気なく物を叩くクセがあった。
右手で机を、左手はシャーペンで、「ゴン チッ ゴンゴ チッ ゴン チッ ゴンゴ チッ…」机の「ゴン」の音と、シャーペン「チッ」の音が、ドラムとは違った音楽を奏で始めた。
「この音はどういう意味を感じるだろう?」机とシャーペンで表現できるものがある気がした。「違う物の音なら何を表現できるだろう?」
物の音に興味を覚えると共に、物で演奏する姿に面白味があると思った。
涼しむためにある扇風機、飲んだ後はゴミのようにほったらかされているアルミ缶、皿を洗うためにあるスポンジ、それらの物が音楽のために使われる姿は「変」で、変だけれども「それからこんな音がして、こんな音楽を奏でるんだ」と思ってもいないことが起きることに面白味を感じた。
物の音で演奏することで、見ている人が「意外な音を発見する」ことと、楽器では出せない音の表現ができると考え研究しています。