これは、個人が持っている意識・感覚を再認識し、新たな発見を促すことを目的としたインスタレーションである。
体験する人にとって、”他人”そのものとなる空間を制作する。
他人の感覚で計られた空間の広さと、他人の意図で以て演出されたいくつかの要素に触れることで、自分だけが持ち得る意識と感覚の存在を強調することができるのではないだろうか。
今回は、私の感覚(意識の及ぶ範囲)をメジャーで計って出た数字から空間の広さをを導き出し、私の意図で以て演出を施した。そのため今回の場合”他人”とは、私自信を指している。
制作にあたり、演劇における空間演出からヒントを得た。この演出には台本と、役者と、観客が隠れて居る。もしこの作品がねらい通りの効果を発揮したなら、体験者が自らの意識と感覚の力によって、それらの存在を発見してくれるかもしれない。